石けん成分の界面活性剤ってなに?
○分類:複合せっけん(注1)(植物由来)
○成分
・石けん成分:米ぬか・ヤシ・松由来の界面活性剤(注2)30%
脂肪酸カリウム(純石けん分 23%)
脂肪酸アルカノールアミド(純石けん分以外7%)
・安定化剤
界面活性剤とは?
水と油の両方の性質を持ち、水と油の中を取り持つ物質の総称で、石鹸の洗浄成分は界面活性剤です。
よく石油系界面活性剤が取り沙汰されますが、界面活性剤は、動植物油からも作られます(えがおの力は植物油使用の界面活性剤となります)
石けんの洗浄成分は、動植物油と苛性ソーダか苛性カリを原料としている界面活性剤です。
界面活性剤は、石鹸・洗剤以外にも、化粧品、薬など、様々な所で使われています。
食品では、マヨネーズやバター、マーガリンなどに使われています。
身近の例では、「お酢」と「油」は混ざりませんが、卵黄を入れるとことでマヨネーズになります。これは、界面活性剤(卵黄)の乳化作用によるものです。
自然界にもさまざまな界面活性剤があって、私たちの体内でも、脂肪を消化しやすくするために界面活性剤がつくられています。
参考文献:日本石鹸洗剤工業会
http://jsda.org/w/03_shiki/a_kaimen05.html
http://jsda.org/w/03_shiki/a_kaimen01.html
石けん・洗剤の分類
石鹸(石けん)
石鹸の主成分は、天然の動植物から採取される天然油脂を苛性ソーダで反応させて作られます。界面活性剤の主成分が石鹸(脂肪酸ナトリウム又は脂肪酸カリウム)以外の界面活性剤を含まないものを「石けん」という表示で記載することが定められています。洗濯用石鹸には、炭酸ナトリウムやケイ酸ナトリウムが配合されています。
複合石鹸 (注1)
界面活性剤中の純石鹸の配合率が70%以上、その他の界面活性剤が30%以内のものが「複合石けん」と表示されます。
石鹸は、すばらしい洗浄剤ですが、使用量が多く、石鹸カスや水に溶けにくく、使いやすさなどに問題がありました。
これらの石鹸の欠点を補うために石鹸を主体としながら石鹸以外の界面活性剤を配合し、作られたのが「複合石鹸」です。
合成洗剤
石鹸以外のものは、すべて合成洗剤と定められています。
主な合成洗剤は、石油から作られますが天然の動植物の油脂からも作ることができます。
界面活性剤は、多くの種類があり界面活性剤自体は中性です。
配合剤の種類により、2種類に分類されています。
① 弱アルカリ性洗剤
アルカリ緩衝作用をもつものを配合しているのでアルカリ性を示します。粉末状のものと液体状のものが市販されています。
② 中性洗剤
一般に毛やシルクなどのアルカリに弱い繊維やおしゃれ着洗い用として市販されています。
洗剤の種類分けでみるとき最も重要なことは、“ 成分" です。
洗剤の主要な成分は界面活性剤ですが、家庭用品品質表示法では、洗浄の主な作用が界面活性剤によるものを「洗剤」と呼び、それ以外の酸やアルカリ、酸化剤の化学作用よるものを「洗浄剤」として分けています。
そしてさらに、界面活性剤のうち、純石けん分以外の割合が、30%(台所用では40%)以上を「合成洗剤」と称します。
引用文献:日本石鹸洗剤工業会