.開発者の横顔

プロフィール

昭和5年大阪に生まれる。
1972年:微生物的環境技術所を設立し、現在同研究所主幹。
正しい思想を持たない鋭い技術は環境を一層混乱に導くのみであるという信念のもと、地球生態系再生の為、わかりやすい用語を用いて独自の「自然学」を展開する。
地球様のなさらんことはしなさんな」「微生物様は神様です」等名言多数。

1992年:ブラジルで開催された地球環境 サミットで日本人の実践者として紹介されるなど、壊れつつある自然界の循環を甦らせる「地球の医者」と言う愛称でマスコミを始め各界から評価が高い。
タイでの長年にわたる植林活動がNHKで取り上げられたり、ベトナムの土壌改良指導等多彩な活動を展開。
2001年 世界湖沼会議において「水浄化の新技術開発シンポジウム」座長を務める
北海道から沖縄まで講演依頼があり、全国各地で講演。
「旭川市政100周年記念講演(於 旭川市)」「宮沢賢治生誕百年祭・米作農家青年者大会基調講演(於 花巻市)、奄美群島日本復帰五十周年記念式典で「人と自然が輝くオンリーワンの島づくり」の演題で記念講演(於 与論島)

著書:「Dr. for the Earth 地球のお医者さん」(生食協会)
  「背戸川排水路水質浄化対策事業~その技術概要と成果の報告」(微環研)
  「共生と環境の思想を求めて」(共著京都フォーラム編、NHK出版)
  「無の技術論~私の自然学」(「現代農業」全18回連載)他多数

エリオット君と学ぶ

今こそ第二のコペルニクス革命を

微生物的環境技術研究所主幹平井孝志

 言うまでもないが、今日の地球環境の危機は直接的に地球の生態系の危機を示唆している。どのような形で環境問題に取り組むにせよ、最大の敵は我々人問白身であることを知っておかねばならない。こうした現在の危機の根本原因は人間の熟練技術やテクノロジーではなく、利己的な考え方によるものである。地球は宇宙の小部屋のひとつである。何か事を為す前に、まず自己中心的な考え方を変革し、宇宙意識を啓発する必要がある。

 人類は進化の過程で膨大な知識を吸収し、複雑な文明を発展させた。しかしこうした知識も宇宙意識に目覚めた行動がなければ何の役にも立たない。我欲を捨てた行動こそが大切なのである。
宇宙意識を欠くならば、長続きする本当の満足など得られない。なぜならこの意識こそ宇宙に存在する真の意味での生命力であるからである。
私の考えでは、宇宙の意識力は万物の根源である。人類は宇宙船を打ち上げる技術を有しているが、宇宙の観点からすれば、これは赤ん坊のほんの一歩にすぎない。この結果もたらされたものは、人類が今日直面している環境危機である。科学研究は絶対的真理の探求であるため、環境問題を解決する上で科学や技術に依存し過ぎるのはよくない。

 地球世界には二つの異なる系が存在する。ひとつは物質系であり、もうひとつは生命系である。
物質系は必要な構成要素の集合によって完全たり得るが、後者の生命系は一つの細胞のほんの微少な有機的活動さえも全宇宙の力の参加によってはじめて可能になる。自然の前では気取りを捨てるべきである。全く私欲的で人問中心的な知的動機によって突き動かされるなら、地球の健全な持続可能な開発など一分の見込みもない。

 16世紀にコペルニクスが取り組んだ意識革命によって人類の近代史の扉が開かれた。我々もまたこの意識革命に取り組む時を迎えている。人類は他の生物とは異なる存在であるという意識を捨て、宇宙意識、つまり万物はひとつに帰し、あらゆる分野の知識は相互に関連しているという意識との調和を図るべきである。
宇宙意識と一体化することによって、宇宙の知恵が人間に宿る。

 人類は過去、現在に至る文化的偉業を誇りにすることを止めるべきである。自己の欲望を満足させることに執着して人類は宇宙からかけ離れた存在になってきた。その結果、深遠な宇宙の根源の因を見失ってきたのである。今こそ精神性を変箪し、意識の宇宙的な力を敏感に感じ取る時ではないだろうか。

1992年ブラジルサミットに於ける提言

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